長いイニング投げると出てくるピッチングフォームの特徴とは?
こんにちは。萩台です。
今日は、ピッチャーにおける回が進むにつれて起こってくる身体的特徴についての研究論文について紹介します。この記事を読むことで、野球のパフォーマンスをあげるために必要な投球フォームについて、学びつつ野球肩や野球肘を早く治すためのヒントが詰まっていると思います。
今回の研究のポイントは、草野球レベルの選手、日頃トレーニングを行っているとは言えないクラスを被験者にしていることだと考えています。つまり、この論文結果はアマチュアクラスの選手にとって、より参考になるものです。
対象は草野球レベル12名の選手で、プレイ頻度は週1~2回実施、トレーニングは日頃していない選手です。
方法は、
選手の動きをハイスピードカメラで
- 投球における最大外旋(MER)
- ボールリリース(BR)
における非投球側への体幹と骨盤の傾斜角を計測。
また1イニングあたり15球として9回まで反復投球を行いました。この際の投球動作を1,7,8,9回で比較。また反復投球前後で筋力(股関節)を測定し比較しました。
結果は、
- 回を重ねる毎に股関節筋力は低下すること
- リリース時の体幹の非投球側への側屈可動域が増加する
この2点が明らかになりました。
ただ、最大外旋位での体幹側屈・MER/BRの体幹側屈と骨盤傾斜角には有意な違いは見られませんでした。
この結果から、カテゴリーが浅いレベルの選手の場合は、投球回が進むにつれて股関節筋力が低下、体幹側屈が大きくなることから肘や肩への負担が増加したり、球速が落ちやすくなるリスクが増えることが考えられます。この論文から、股関節の強化により、体幹をアップライトに保ちやすくなることが言えますし、そこの強化は長いイニングを投げるためにも必須だと言えます。
近年の投手では、オリックスの山下舜平大投手の高校時代とプロのフォームの比較がとてもわかりやすいです。リリースの際の脊柱の傾きに着目してください。プロに入り、相当フィジカル強化を重ねたのだと予想できます。ぜひ比較してみてください。
<参考文献>
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10830156
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